入社して配属したのが本社の経理部。そこから十年経理業務一筋で、大学在学中に簿記2級を取得した僕が、仕事でも簿記などの試験でもおすすめ出来る、良い電卓と良い電卓の選び方を紹介します。
本格実務電卓をすすめる理由
僕は、会社に入ってすぐの配属が経理部でした。今の経理部では、当然パソコン作業も多いですが、それでも電卓は必ずつかう必需品です。手書きで伝票を起票したり、人が書いた伝票の精算作業を行ったりする際には電卓での検算は欠かせません。
また、決算の数字をまとめて決算書を作る際のチェック業務、予想予算を作成する際の打ち合わせなどで、数字の妥当性を測る時などに、いちいちパソコンを開くよりも、電卓でチャカチャカと計算したほうが手軽ですばやく行えます。
もちろん、パソコン業務(主としてExcel)も多いですが、要は使い分けです。大量の計算を一気に行う場合は、Excelで関数を作ったほうが速いですが、ちょっとした検算や頭の中の数字を具体化してメモ書きしたいときなどの手軽さでは電卓に勝るものはありません。
また、働いていると気づきますが、営業職や人事部など、経理などの数字を主に扱い部門ではない職場の方々も、電卓をひとり一台は持っています。今でも、社会人に電卓は必要不可欠なアイテムです。
ちなみに、入社当時の僕が買ったのは、カシオのJSー20DTという本格実用機でした。簿記試験などでも使える本格実務電卓という触れ込みでした。ちょっと高いなあと思いましたが、長く使う事になるのだからせっかくなら良いものにしようと思って購入しました。
結果は大正解でした。使い始めて十年近く経ちますが、キーのヘタリなんかまったくありません。電池も太陽電池なので室内灯の明かりで充電されるので電池交換もしたことありません。会社の後輩にも電卓は良いものを使うように言っています。
良いものと言っても1万円も行きません。社会人生活40年としたら一年で250円、一ヶ月20円も行かないのだから、ぜひ良いものを買うべきです。
逆に、安物の電卓を購入してしまうと、打ち間違いがあったり反応が鈍かったりと、作業効率が悪くなります。電卓代をケチって、仕事の効率を悪くするのは止めましょう。自分がずっと使い続ける道具です。安い電卓でも高い電卓でも、成果はすべて自分に返ってきます。
本格実務用電卓と、近所のホームセンターに売っている二束三文の電卓の差で、一番わかるのは、キーの打ちやすさです。本格実務電卓は、非常に打ちやすく出来ており反応もとても良いです。
打ちやすいということは、そのまま計算の速度に反映されます。その差は、一回だとほんの一二秒かもしれませんが、積み重なると結構な時間のロスになります。
たとえば、それが1秒も無駄にできない簿記試験だったらどうでしょうか。簿記試験は3級から1級までありますが、すべて時間との勝負です。その際に安物の電卓を使っていると、計算ミスが多発してくやしい思いをすることになります。
出来る限りキーを打ちやすい、つまり計算速度の向上と打ち間違いを減らすことが出来る本格実務用電卓をおすすめします。
カシオ製か?、シャープ製か?
ちなみに電卓はカシオ、シャープが2大メーカーになります。キャノンが少し頑張ってる感じです。
各社ごとにキーの配列が違うので気をつけてください。慣れてくるとブラインドで打てますが、普段カシオ製を使っている人がシャープ製を使ったりすると、気付かずにまったく見当違いのキーを打鍵して、見当違いの数字になったりします。
ちなみに、カシオ製とシャープ製だとキー配列の違いは下の図のような感じです。

これは、カシオとシャープの主なキー配列の違いを図にしたものです。数字の配列は同じですが、その周りのキー配列はかなり違いが見られます。
主な違いは、青色の箇所のクリアキーの配置と、オレンジ色の四則計算(+-×÷)の配置でしょうか。
クリアーキーは、計算結果を消去(クリア)する際に使用するキーです。計算を仕切り直すために使われるキーなので、場合によっては数字よりも多用するキーになります。
個人的な意見になりますが、カシオの配列は、クリアキーが左側、四則計算が右側に揃っているため入力しやすいと感じます。
また、カシオ配列のほうがキーボードのテンキー配列に違い印象を受けます。デスクワークでは、パソコンのテンキーも大量に使うことになるため、パソコンのテンキー配列に近いカシオの電卓を僕は比較的おすすめします。
ちなみに、おすすめ電卓を見ていただくとわかりますが、僕自身もカシオの電卓を使っているためカシオの電卓を多く紹介しています。
チェックポイント
僕が購入したときにチェックしたのは以下の4つ。
・サイレントキー(うるさいと自分にも同僚にも迷惑)
・画面が見やすい(電灯の光の反射が気にならない)
・打ちやすい(打ち間違えるストレス軽減)
・キーが2色形成(安物だと一年絶たずに数字が消えてしまう)
基本的なことですがこれが実際に行える電卓は以外と少ないのです。
僕が探した中では以下の5つが及第点だと思いました。
1)CASIO JS-20WS
実務用電卓に必要な機能を余すとこなく備えた、お手本のような電卓になっています。
機能としてはサイレントキー、大画面、キーが2色形成、太陽電池+リチウム電池となっています。仕事はもちろん、簿記などの資格試験でも十分に活躍できるだけの機能を持っています。
裏側には滑り止め用のゴムが付いているので、安定して電卓を操作することが出来ます。
ボタンも十分な大きさを持っているので、打ち間違えすることはまず無いでしょう。キーレスポンスがしっかりしていて、ガンガン打ち込める感じが良いです。
2)CASIO JS-200W
機能面としては、先に紹介した「JS-20WS」とほぼ同じようになっていますので、仕事でも簿記試験でも十分に使うことが出来ます。
チルト機能(画面の角度を自分で調整できる機能)を持っています。折りたたむと一枚板の用にフラットになるので、持ち運びに便利な電卓になっています。
営業職など移動先に電卓を持っていくことが多い人は、こちらの方が使いやすいと思います。
3)CASIO JS-20DB(一番おすすめ)
僕が使っている20DTの後継機のようです。
こちらは何と言っても3キーロールオーバーが最大の特徴です。キーを同時押しして何個のキーを認識してくれるかという機能で、早打ち機能とも言います。
上の2つは(実務用としては)基本の2キーロールオーバーですが、こちらの20DBは更に多い3つのキーまでを同時に認識できます。
実務でも便りになる電卓ですが、簿記1級や税理士公認会計士などの速度を問われる難しい試験などの分野でも活躍できる個体です。
4)SHARP EL-N942-X
価格ドットコムで一番人気の電卓です。
機能的には、CASIO JS-20WSと同様のイメージです。必要十分の機能を揃えていて値段は3,500円弱。(価格ドットコム最安値)JS-20WSが4,500円弱なので千円近く安いです。
これだけの機能を機能でこの値段ならたしかに一番人気も頷けます。
上の4つは、初めに僕が行った条件(サイレントキー、キーの打ちやすさ、画面の見やすさ、キーが塗装でなくプラスチック形成)を満たしています。
実際に打ってみましたが、すべてレスポンス良く、仕事も簿記でも問題なく使える電卓です。
ただ、カシオ配列に慣れた身ですと、EL−N 942(シャープ製)はやっぱり違和感がありますね。
ちなみにカシオだとこちらの機種も人気が高いですね。
5)JS-20WK
キーレスポンスがとても良く、ストレス無く打てます。検算機能もあるので、打ち間違い安い人にはぴったりかもしれません。手のひらで無理なく持てるサイズ感で、ちょうど良いです。
ただサイドについているゴムが、使い続けていると劣化しそうなのが懸念です。僕はあんまりゴムの感触が好きじゃないのでこれはいまいちでした。
ただ、先に紹介した4つはサイドがプラスチック形成なのでツルツルして持っているときに落としそう。
こちらはサイドのゴムでがっちりつかめるので、ゴムの感触が大丈夫で落とすのが不安な人にはこちらも良いかもしれません。
6)プレミアム電卓 S100
持つ誇り、使う悦び。電卓に革新とこだわりを込めて。
カシオ計算機が50周年記念として作り出した超高級電卓です。アルミ削り出しという高級感のある外観に加えて操作性に優れ見やすいディスプレーを備えたまさにスペシャルな一台になっています。
僕も購入を検討して触ったことがありますが、5,000円以上する本格実務電卓と比較しても、比べ物にならないぐらいの高級感と、そして操作性の良さをもっています。全面アルミの削りだしに塗装するという高級仕様(アルミニウムは塗装し辛い)。LAMMYの万年筆やFiloFaxのシステム手帳といった、有名ブランドの文具の横においても格落ちしない高級感を出してくれるでしょう。
値段が20,000円以上、というかほぼ30,000なので、気軽に出が出しづらい金額にはなっていますが、一生モノの買い物と思えば安いものでしょう。そしてソレに見合うだけの満足感をS100は提供してくれます。
社会人40年だとすれば一年で750円。1ヶ月で70円行かないと思えば安い気がしますね。経理に配属されてまだ本格的な電卓を買っていない人、電卓を持っているけども不満のある人はは検討してみても良いと思います。
さいごに
働く社会人にとって、電卓は一番身近な道具です。
PCは劣化して買い換えるかもしれませんが、電卓は一生使い続けられます。ずっと使う分だけ、良いものを買うべきだと僕は思います。
変な機能はいりません。必要最低限の機能を最高レベルで備えていること。それが僕のおすすめする電卓のポイントです。
なんでも良いなんて思わず、しっかり頼れる相棒を選んであげてください。
では、また。
初回:2016年11月12日
改定:2017年5月12日