こんにちは、ヒロタカです。
良い演奏をするためには適切な指回しが必要ですね。
そのための練習としてスケール練習(音階練習)がありますが、
僕たちは何を目的として、スケールを行えば良いのか考えてみました。
1.スケールとはなんだろう。
ロングトーンに続く必須の基礎練習であるスケール練習。
スケール(音階)は、クラシックだと長調(長音階)、短調(短音階)それぞれ13ずつ、
計26ある音の連なりのことです。
我々が吹いて聴く演奏の殆どの曲が、この26の調を基本にして作曲されています。
つまり、スケールの練習をするという事は様々な曲の基礎を練習しているということになります。
これを練習しておけば、様々な調の演奏に対しての対応力を磨き、初見でも素晴らしい演奏を行えるようになるはずです。
そこで、スケール練習で心がけるポイントは大きく考えて2つあると思います。
1-1.均一なバランスの良いスケールであること
スケールは音の連なりです。例えば、ドレミファソラシドが一つの音階ですが、
サックスでこの音のつながりをバランス良く吹くのはなかなか難しいと思います。
となり通しの音のつながりが悪いと、たとえ運指が間違っていなくても
間違った音を出してしまったような気がします。
原因としては、指使い(音をだすために指を動かすのでその際に音が崩れる)、
アンブシュア(同様に楽器が動いてマウスピースがずれてしまう)、息の入れ方などが
一般的に考えられます。
これは個人個人のクセによるものが強いので、吹いた自分の音を聞いて、
一つずつバランスを調整していくよう心がけましょう。
1-2.単音でなく、フレーズを持った音であること
音階練習ですが、上でも書いたようにスケールは様々な曲の基礎となるものです。
最終的に演奏に結びつけるためには、音のフレーズ感を忘れてはいけません。
となり通しの音のバランスを気にするあまりに、音がつながっていない
というのはよくある失敗です。
二小節、四小節ごとのフレーズ感を持ったスケール練習を行いましょう。
2.スケール練習で身につけることが出来るもの
スケール練習で身につくものには、大きく考えて下記の2つがあると思います。
2-1.初見力の向上、指と息の自動化
スケールの目的を理解して練習を行っていると、音のバランスや
フレーズ感のある演奏を無意識に行えるようになっていきます。
これは、脳が演奏するための最適な動きを学習したからです。
さて、無意識でスケールを行えるようになると演奏をするために
必要な集中力が減り、違う部分にリソースを注げるようになります。
演奏は、指揮者と楽譜を見て、楽器を動かして成り立ちます。
指や唇が自動的に動くようになると、逆に指揮者や楽譜に力を使える
つまり、より音楽に深く潜り込めるようになります。
結果として、初見でも音楽感のある演奏ができる、また同じ練習でも
以前より深い理解を持って演奏することが可能になります。
2-2.バランス感(音のつながりを理解できる)
スケールで鍛えるのは主に指先ですが、練習を重ねていくと
”耳”も鍛えられていくと私は思います。
耳が鍛えられると、場面場面で求められる音が違うことが分かります。
楽譜は演奏するに必要な情報が記載されていますが(ex.強弱、テンポ、<>など)
それ以外にも楽譜全体に流れている雰囲気なようなものがあります。
その雰囲気はスケール(音階)によって特色があります。
スケール(音階)による曲の雰囲気を理解して、それに沿った演奏をするためには、
バランス感(音階ごとの音のきれいなつながり)が理解できていることが必要になります。
3.おすすめのスケール練習法、指と息の自動化、音感を鍛える
まずは、音階の書かれた譜面が必要になると思います。
僕は、須川先生の書かれた「サクソフォーンのためのトレーニングブック」
で練習を行っていますが、殆どの教則本にスケールは記載されているはずなので
お好きなもので練習すると良いと思います。
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3-1.一定のテンポで吹きましょう。
この練習にはメトロノームは必須になります。
メトロノームを使って一定のテンポでスケールを行っていきましょう。
はじめは4分音符=60ぐらいで吹いてみると良いと思います。
一息で吹き切るのは大変だと思うので四小節ごとにブレスをすると良いでしょう。
吹いてみると意外とテンポが一定に取れないと自覚するかもしれませんね。
傾向として、上のレ(F)以上が焦りから速くなったり、上昇(下のド→上のファ)よりも下降(上のファ→下のド)のほうが遅くなったりすることがあります。
上のレ以上が速いのは焦りから動きが速くなっってしまっているので落ち着いて
自分の音を聴くことが大事です。上昇下降のテンポの違いは、
キーを押すのか離すのかの違いです。(一般的に離す時の動きが遅くなりがち)
自身のクセを理解して正しい一定のテンポで吹けるように頑張りましょう。
3-2.様々なアーティキュレーションで吹いてみよう。
また、音階練習は様々なアーティキュレーションで吹くと上達の近道になります。
おすすめするのが、
① ----(全てスラー)
② ・ ・ ・ ・(全てスタッカート)
③ -- ・ ・ (スラー2つとスタッカート2つ)
④ ・ ・ --(スタッカート2つとスラー2つ)
の4つのパターンで様々なスケール練習を行うと良いと思います。
特に③と④ではスラーからスタッカート(逆にスタッカートからスラー)へのつなぎ、
の部分に気をつけて練習を行うと良いでしょう。
4.さいごに
大抵の曲は26の音階を基礎にして出来上がっています。
スケール練習も最終的には曲を素敵に吹くための練習なので、
演奏するためにはどんな風に吹けるのが良いのかを常に考えて練習しましょう。