エチュード(Etude)は、演奏技術の向上、技の習得の為の練習曲になります。
サックスだと、故ギィ・ラクール氏の「サクソフォンのための50の漸進的な練習曲」が
一番ポピュラーかと思います。
サックス吹きがラクールっていったらこっちになります。
デザンクロ=四重奏ですが、ラクール=四重奏にならないのは残念ですね。
いい曲なのに。
ロングトーンやスケール練習も大事ですが、
我々は曲を演奏することを目指して練習するのですから、
やっぱり曲を吹くのが大事です。あと一番楽しい。
1.エチュードを演奏する意義は
エチュードは、身体を演奏する状態に持っていく「ウォーミングアップ」と
指回しや息の入れ方を学ぶ「筋トレ」の2つの効果を持っています。
また、エチュードは本番の為の実践的なトレーニングとなります。
エチュードを毎日練習することは上達の確実な近道になるでしょう。
エチュードの目的としては、
・一般的に苦手とされる部分を特訓していく
・レガート、スタッカートの練習(それらしい表現が出来るようにする)
・譜面を理解し、それを発信する力(音楽的な表現力)を高める。
などですが、実際エチュードにはクレッシェンド・ディミヌエンド、
音の跳躍(シ→ミ→シなど)フレーズごとの歌い方などが盛り込まれています。
2.練習する際に注目するポイント
練習曲=筋トレと書きましたが、譜面のまま棒吹きしては意味がありません。
あくまでも演奏するのと同じモチベーションで練習しましょう。
たくさんの人が自分の目の前にいる、その人達に少しでも自分の演奏が
届くよう努力しよう、そういうイメージで常に練習を行うと良いでしょう。
フィギュアスケートや体操のように、
美しい演奏をして人を感動させながらも、本人の筋肉は緊張して震えている。
美しい筋トレというと気持ち悪いですが、そういうイメージを持って
エチュードの練習を行って見てください。
また、自分の頭の中のイメージと実際に発信している演奏が違うことがよくあります。
演奏の中で、自分がイメージ通りの音を出せているのか、”音を聴く”ことを常に
心がけましょう。
ただ、吹きながら聴くというのは大変ですので、
録音機器を使って自分の音を聴くというのをしてみると良いかもしれません。
3.ラクールで練習をするなら
初めてエチュードを行うのでしたらラクール氏の「50の~」の上巻から始めるのが
良いと思います。
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こちらのエチュードは、雲井雅人先生がCDを出されているので、
それを手本にすると良いかもしれません。
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初めて聴いたときは、エチュードなのになんて素晴らしい表現なのかと思いました。
自分も同じ譜面で練習しているのに同じエチュードとは思えなかったです。
エチュードの深さを実感しました。
4.さいごに
ラクールは初心者向けのエチュードですが、50の練習曲の中に様々な表現があり
とても勉強になる一冊(実際には上下巻二冊)になっています。
これでトレーニングを行うことは間違いなく上達の一助となると思います。
練習は集中してやりましょう。
本当に集中していると一時間も経たないうちに「あ~!」と疲れ切ってしまいます。
それぐらい集中してやりましょう。